パラオ

今日,仕事から帰宅して,ニュースに耳を傾けていると,戦後70年を迎える来年に,天皇陛下がパラオなど太平洋諸島の国々を,戦没者の慰霊のため訪れる希望を示されているとのことで,宮内庁が検討を進めているとのことです。

パラオは,太平洋戦争の舞台となった島々です。19世紀にスペインの植民地となって,その後,スペイン領ミクロネシアを450万ドルでドイツに売却してドイツの植民地となり,第一次世界大戦において連合国側の日本は,ドイツに対して宣戦を布告してパラオに進軍して占領したのが1914年。パリ講和会議でパラオは日本の委任統治領となり,日本の南洋庁が置かれて,多くの日本人が移住したそようです。

パラオに海軍の重要な基地があったために,太平洋戦争では連合軍の攻撃対象となって多くの戦死者がでたようです。太平洋戦争後はアメリカの信託統治下となり,1981年に自治政府・パラオ共和国が発足し,1994年に独立国・パラオ共和国が誕生しました。今年で建国20年です。

天皇陛下の海外訪問は,相手国から招待された友好親善のためですが,太平洋戦争終戦60年であった2005年には、戦没者を慰霊するために海外訪問をした初めてのケースになったそうで,来年のパラオ訪問が実現すれば,これに続く2度目の「慰霊のための海外訪問」となります。

パラオの地名を耳にして,太平洋戦争の惨事とともに,ひとりの彫刻家・土方久功(ひじかた ひさかつ)の名が頭に浮かびました。久功は1929年にパラオに赴き,パラオの初等学校で図工教員として子どもたちに彫刻を教えながら,民俗学者としてパラオの島々を調査しています。そして1942年に小説家の中島敦とともに日本に戻っています。

私が埼玉に住んでいた時の1991年に世田谷美術館で「土方久功展: 南太平洋の光と夢」が催されましたが,残念ながら私は行くことが出来ませんでした。土方久功展の会期にあわせてNHK日曜美術館を録画したビデオテープは,私の宝物のひとつです。

ネットで調べると7年前にも世田谷美術館で「バラオーふたつの人生 鬼才中島敦と日本のゴーギャン土方久功展」があったそうで,今度,このような企画展があれば是非行きたいなあ~と思っています。

素朴な久功の南の楽園の絵は,まさに日本のゴーギャンです。