忖度・・・不合理な配慮

 最近ニュースで忖度という言葉を耳にすることが多くなりました。

 忖度を小学館の日本国語大辞典で調べると,
・他人の心中やその考えなどを推しはかること.
・推量.推測.推察.

現在ニュースで用いられている忖度の意味として,
・他人の心を他の事柄を元に推測する.
・建前ではそう言うけど、本音はこうだろうと推測する.

忖度のニュースの英語での扱いは,
conjecture・・・推測
surmise・・・推測する
reading between the lines・・・行間を読む
reading what someone is implying・・・誰かが暗示していることを汲み取る

 森友学園の籠池理事長の国会での証人喚問に続いて行われた日本外国特派員協会の記者会見において,籠池理事長は「直接ではなかったが忖度があったと思う」という表現を用いています.March 2017,23 Tokyo Yurakucho

 籠池理事長が口にした「忖度」の表現について、籠池理事長の代理人で、国会では補佐人も務めていた山口弁護士が解説しています.

I think he is missing a couple of words, what he is trying to say is, when he said he was doing “sontaku”, that something done by people around him, and not by Abe. “Sontaku” is not a word that you use by yourself. When you say “sontaku,” Abe is probably, people around, or you know, people who are underlings of Abe.

「いくつか言葉足らずだったようですが、籠池氏が忖度という言葉で表現しようとしたのは、安倍首相によってではなく、安倍首相の周りにいる人々が何らか手を加えたということです。忖度というのは自分自身で何かするという時に使われる言葉ではなく、安倍首相の周囲の人間、もしくは子分の人間が何かしたという意味になります。」

*

 相手の気持ちを察したり,或いは相手の気持ちを推し量ることは,「空気を読む」「場の雰囲気」ということで,一種のコミュニケーション能力として,求められているものです.

 逆に,相手の気持ちを察することができない,空気が読めない,場の雰囲気をわきまえない・・・一般に非常識と言われてしまい,コミュニケーション能力の欠如とさえ烙印を押されかねないです.

 ただ問題は,相手の気持ちを察した後の言動なのかもしれません.忖度はあくまでも主観的なものであって,忖度によって言動が左右されることは,あくまでも客観性がないということに問題があるのかもしれません.

*

「合理的配慮(reasonable accommodation)」 という言葉を耳にすることが多いですが,この言葉の意味するものは,『相互の合意や契約に基づく「便宜」や「助け」です.あくまでも「合理的配慮」は「契約」であり「権利」であり、必要性と適切性を合理的に説明できる責任(accountability)の上で双方の合意・契約の下で行われる融通や助けのことです.一方的な特別扱いでは決してないです.accommodationは相違や対立を調整する,或いは要求などを受け入れたり配慮するという意味があり,一方的ではなくて双方向であり,理屈や状態を説明することを伴います.忖度とは似て非なるものです.

 それに対して「忖度」は,どちらかと言えば主観的で「不合理的な配慮(unreasonable modification)」との表現がぴったりかもしれません.合理性がない主観的な特別扱い,或いは責任回避として、『一方的』に特別扱いをすることのように感じます.、そもそものルールを無理矢理に修正或いは拡大解釈して手加減をすることです。まさに一方的なmodificationです.

 「学力」を考える時に「合理的配慮(reasonable accommodation)」は必要ですが,「不合理的な配慮(unreasonable modification)」(「忖度」)は不要どころか,「学力」にとって邪魔でしかないかもしれません.とくに学力の評価に「不合理な配慮」(忖度)が忍び寄ると,評価自体の信頼性が著しく低下する可能性が大きいです.