もっとも遅い朝

2018年の1月3日から1月12日までは、神戸の日の出の時刻が7時7分、1年でもっとも日の出の時刻が遅い期間です。

 本務校の一駅手前の三ノ宮駅で降りて、一駅分を歩いていますが、三宮が朝6時半、日の出の30分以上前です。

 高架下の自転車置き場です。向こう側に見える出口が真っ暗です。

 同じ自転車置き場の反対側、やっぱり出口は真っ暗です。

 曇り空で、東の空は、かすかに青味を帯びていますが、辺りはまだまだ暗闇に包まれています。

高架下の道路、三宮の街から高架沿いに東に進むと、場末のような感じがします。

 5~6分歩いただけですが、だいぶ空が明るくなってきました。新生田川の川面に、高圧ナトリウム灯のオレンジ色の光がパッと広がっていました。

 本務校に着く頃には、だいぶ朝らしい光景になっていました。

智恵子抄という高村光太郎の詩集に「冬の朝のめざめ」という詩がおさめられています。

冬の朝なれば
ヨルダンの川も薄く氷りたる可し
われは白き毛布に包まれて我が寝室の内にあり

基督に洗礼を施すヨハネの心を
ヨハネの首を抱きたるサロオメの心を
我はわがこころの中に求めむとす

冬の朝なれば街(ちまた)より
つつましくからころと下駄の音も響くなり
大きなる自然こそはわが全身の所有なれ
しづかに運る天行のごとく
われも歩む可し

・・・・

 高村光太郎、「冬の朝のめざめ」の冒頭、詩集「智恵子抄」より

 冬の朝、生田川の川面をオレンジ色に輝く光景を目にして、智恵子抄におさめられている一篇の詩が頭に浮かびました。